これは、インターンに限った話ではないかもしれません。
アルバイト先でも、はじめて会う目上の人の前でも、こんなことはないでしょうか。

わからないことがある。聞けば済む。
でも、相手は集中している。
話しかけるのが申し訳なくて、タイミングをうかがっているうちに、結局聞きそびれてしまう。

この「聞きづらさ」は、慣れない環境ほど強くなります。
そして多くの人にとって、インターンは、その「慣れない環境」の代表みたいなものです。

ある先輩が「インターンで一番困った」と振り返ったのも、やっぱり仕事の中身ではありませんでした。

聞き方が、わからなかった

仕事そのものより、わからないことを「どう聞けばいいか」で止まってしまう。聞いてみると、これは意外と多くの人がつまずく場所です。

質問するのに勇気がいる

あるエンジニア系のインターンに行った先輩は、その会社の空気をこんなふうに振り返っていました。

「会社って、すごいサザエさんみたいな、"ザ・会社のオフィス"みたいな感じで。自分の事務作業の机だけで完結しちゃってて、あんまりコミュニケーションを取るタイミングがないなって思いました」

仕事は、自分の席で一人で進む。
まわりの人も、それぞれの作業に集中している。
そういう場所では、ちょっとした質問でもこうなります。

「質問があっても、作業してる人のところにわざわざ歩いていって聞くので、一つ壁を乗り越えないと質問できない、という感じがして。ちょっと声かけづらいなと」

「一つ壁を乗り越えないと質問できない」。

この感覚、わかる人は多いのではないでしょうか?

  • 聞きたいことはある。
  • でも、相手は集中している。
  • 話しかけたら、手を止めさせてしまう。
  • 「こんなことも知らないの」と思われるかもしれない。
    そうやって考えているうちに、聞くタイミングを逃して、わからないまま手が止まる。

念のため言っておくと、この先輩の職場に意地悪な人がいたわけではありません。

「嫌な人がいたわけじゃないんです。ただ、後ろで"うめきながら"仕事してる社会人の方がいらっしゃったので大変そうだな、と思いました」

つまり、「聞きづらさ」は、こわい人がいるから生まれるわけではないということです。
みんな普通にいい人で、忙しいだけ。
それでも、声をかける一歩めには勇気がいる。

質問できないのは、あなたの性格が弱いからではありません。
その場が、聞きやすい場かどうか。
それだけのことだったりします。

「聞き方」を変えたら、経験の質が変わった

おもしろいのは、同じ先輩が、別のインターン先では、まったく違う動き方をしていたことです。
そこでは、仕事の進め方自体が違っていました。

「仕事自体は振ってもらえて、でも、やり方は自分で試行錯誤して進めていく、っていう感じでした。わからないことがあったら聞いて、自分が失敗しちゃったなということは『これはどうした方がよかったでしょうか?』と聞いて、修正していきました。それが、僕には合っていることにも気づきました」

ここで、聞き方が一つ、変わっていますよね。

「これ、どうやればいいですか?」と、やる前に聞くのではなく、
「やってみたんですけど、どうですか?」と、やってみてから聞いている。

この違いは、思っているより大きいかもしれません。
先輩は、後輩に向けてこんなふうにも話していました。

「『これをこうしたいんですけど、どうですか?』というより、『実際こういう感じでやってみたんですけど、どうですか?』のように結果を見せてみる。ちゃんと比較できるものを出すと、『こっちの方がいいね』って言ってもらえました。」

ゼロの状態で「どうすればいいですか」と聞くと、相手も一からの説明が必要です。
その分時間も必要になります。

そしてこれは、聞く側にとってもいいことがあります。
一回自分でやってみているから、相手の答えが「ただの正解」ではなく、「自分の試したことへのフィードバック」になるので、頭に残ります。

質問は、わからないことを埋めるためだけのものではありません。
聞き方しだいで、それは「教わる時間」にも「一緒に考える時間」にもなるということなのかもしれません。

「なぜ」を聞くと、仕事の奥が見えてくる

もう一つ、この先輩が大事にしていた聞き方がありました。
それは、「どうやるか」だけでなく、「なぜそうするのか」を聞くことです。

「これは、どういう意図でこのようにするのでしょうか? みたいに。僕は気になった時は聞いていました」

任された作業を、ただこなすだけなら、「やり方」さえわかれば足ります。
でも、その仕事が「なぜ必要なのか」「どういう狙いがあるのか」まで聞いていくと、見える景色も変わります。

言われたことを言われたとおりにやる人ではなく、狙いをわかったうえで動ける人になる。
インターンで信頼される人は、たいていこの「なぜ」を聞ける人だったりします。

そしてこれは、相手にとっても嬉しい質問です。
自分の仕事の意図に興味を持ってもらえて、嫌な気持ちになる人はあまりいません。

今日から1つだけやること

  • 「どうすれば?」を「やってみたけど、どうですか?」に変えてみる →聞く前に、まず自分なりに一回やってみて、それを見せながら聞いてみる
  • 「なぜ」を一つ聞いてみる →任された作業の意図を、「これってどういう狙いですか?」と一回だけ聞いてみる
  • 聞くハードルが高いと感じたら、それを口に出す — 「集中されてるところすみません」の一言を添えるだけで、自分も相手も少し楽になる

どれか1つで十分です。


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