「ガクチカ」と聞いて、最初に何を思い浮かべますか?

留学。ボランティア。体育会。起業。

就活の時期が近づくと、こういう"華やかなエピソード"が頭に浮かんで、「自分にはそんなものない」と感じる人は多い。

実際、就活を終えたばかりの、ある大学4年生もこう語っている。

「僕も正直、ガクチカって持ってないなって思ってました。すごいボランティアとか留学とか、限られた人しか持ってないものだっていう認識があったので、自分にはそんなのないよって」

でも彼は、就活を終えた今、こう続ける。

「そんなことはなくて、ちゃんと個人個人ちょっと持ってるものは違うけど、ガクチカはあると思う」

「ない」と思っていたものが、就活を終えたら「あった」に変わった。

この記事では、なぜそうなるのかを考えてみたい。


「ない」のではなく、「気づいていない」

「ガクチカがない」と悩んでいる学生の多くは、実はガクチカの定義を狭く捉えすぎている

留学していなければダメ。
大会で結果を出していなければダメ。
何か「すごいこと」をしていないと書けない——。

でも、本当にそうだろうか。

先ほどの大学4年生は、こんなことも言っていた。

「社会人の方が思ってるガクチカと、僕ら学生が思ってるガクチカって、ちょっと乖離があると思うんです。学生が思ってなくても、社員さんから見たら"それすごいいいじゃん"っていうのはあると思う」

つまり、自分では「普通」だと思っていることが、他者から見たらガクチカになっていることがある。

飲食店のアルバイトでも、趣味のサークル活動でも、日々の習慣でも。

大事なのは「何をしたか」ではなく、「そこで何を感じ、何を考えたか」


なぜ「ある」と気づけないのか

問題は、自分のことは自分が一番見えないということにある。

毎日やっていることは「当たり前」になる。
当たり前のことを「すごい」とは思えない。
だから、ガクチカを探そうとすると、日常の延長線上にあるものはスルーして、「もっと特別な何か」を探しに行ってしまう。

でも、ある就活経験者はこう言っている。

「普段のコミュニケーションの中で"こういうところあるよね"って言われてたことが、結構参考になった」

自分では気づけなかったことが、周りの人の一言で見えてくる。

ガクチカが「見つからない」のではなく、自分一人で見つけようとしていることが、そもそもの原因かもしれない。


ガクチカは「探す」ものじゃなく、「気づく」もの

ここで整理してみたい。

「ガクチカがない」と悩む学生がよくやるのは、過去を振り返って"すごいエピソード"を探すこと。

でも、それではなかなか見つからない。なぜなら、自分にとって当たり前のことは、自分では「すごい」と思えないから。

むしろ有効なのは、以下の3つ。

1. 人に聞いてみる

家族、友達、アルバイト先の人。「自分の強みってなんだと思う?」と聞いてみる。

「ちゃんと客観視して自分を見るっていうのはすごい大事。友達だったり、アルバイト先の人だったり、家族に聞いて」

自分では見えない自分を、他者が映し出してくれることがある。

2. 何かを「やってみる」

インターンでもアルバイトでも、未経験の環境に身を置くと、自分の「できること」と「できないこと」がはっきりする

以前インタビューをした別の学生さんはこう振り返っていた。

「やったことないことでもとりあえずやってみて、自分に向いてる向いてないっていうのを判断つけたり、そこから何か学ぶものを学んだりっていうのは、すごい大事だった」

ガクチカは机の上で「探す」よりも、**動いた先で「見つかる」**ことの方が多い。

3. AIに壁打ちしてみる

最近の学生はAIを使ってガクチカを整理するケースが増えている。

「自分の過去の経験を投げて、言語化の作業をお願いして。AIに"こういったところはどう感じたんですか?"って聞かれたものに対して考えていく」

ただし、AIは整理の道具であって、中身をつくるものではない。

「一般論しか出てこないので、自分の体験から自分で解釈するっていうのがないと、使える知識にならない」

AIに頼りすぎず、自分で考えることとセットで使う。そのバランスが大事だ。


「すごさ」は関係ない

ガクチカで企業が見ているのは、エピソードの派手さではない
ルーキーワークス代表の中川もこのように語る。

「アルバイトも、飲食店のアルバイトだからダメとかそういうのは全くなくて。その体験を通して自分がどういうことを学んだか?というのをきちんと伝えられれば、そっちの方が大事。」

大企業のインターンに行ったから有利になるわけでもなく、ボランティアをしていたから評価されるわけでもない。

何を経験したかよりも、その経験から何を引き出せるか。

それがガクチカの本質だとしたら、「ガクチカがない人」は本当にいるだろうか。


この記事で伝えたいのは、「だからガクチカを書けるようになろう」ということではない。

就活を終えた先輩が気づいたのは、こういうことだった。

「就活が終わってから、"ここってもっと押し出せばよかったな"って気づくことが結構あった」

つまり、渦中にいるときは見えない

だからこそ、今「ガクチカがない」と感じていても、焦る必要はない。

人と話す。
何かやってみる。

その中で、少しずつ自分が見えてくる。

ガクチカは、今のあなたが「ない」と思っているその場所に、たぶんもうある。


今日から1つだけやること

  • 人に聞く — 家族か友達に「自分の強みって何だと思う?」と1回聞いてみる
  • 動いてみる — インターンでなくてもいい。未経験のことを何か1つ試してみる
  • AIに壁打ち — 過去の体験をAIに話しかけて、言語化を手伝ってもらう

どれか1つ。それで十分だ。

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